受動態は [ be動詞+過去分詞 ] ??

「~される」「~されている」という意味をもち、「受け身」ともいわれる受動態。中学校では受動態は「be動詞+過去分詞」と習いますよね。呪文のように唱えて必死で覚えた人もいるかもしれません。

すみませんが、1回忘れてください。

「be動詞 + 過去分詞 で受動態」じゃないの?

 受動態の文と言うのは、例えば次のようなものです。


Coffee is loved by many people.
(コーヒーは多くの人に愛好されている)

 確かに上の文ではbe動詞も過去分詞も使っていますが、「 be動詞 + 過去分詞 で受動態 」というのは正確ではありません。実は受動態には、必ずしもbe動詞は必要ないんです。なぜなら、

「~される」という意味を持っているのは[過去分詞]部分のみだから。

 過去分詞単独でも受動態の意味を表せるんですが、be動詞とセットで使われることが多いから、学校では「受け身はbe動詞+過去分詞」と教えられているんでしょうね。

そもそも「過去分詞」って何よ?

 中学校で、give-gave-givenとか、go-went-goneとか、動詞の変化を覚えましたよね。あれの3つ目のやつです。動詞をこういう形に変形させることによって、「~される」「~されている」という意味を持たせることができるんです。

※過去分詞にはこの他にも「完了」(~してしまった)という意味もありますが、ここでは触れません。
※分詞にはこの他に「現在分詞」というのもありますが、ここでは触れません。

じゃあ何のためにbe動詞を使うの?

 結論から言ってしまえば、「~される」のタイミングを表現するためです。過去分詞というのは動詞を変形させてできる語なので(すでに動詞ではなくなっているため)、過去分詞単体で現在、過去、未来などの「時間」を表すことはできません

 例えば次の3つの文を見てください。


①She is loved by many people.
彼女は多くの人に愛されている。

②She was loved by many people.
彼女は多くの人に愛されていた。

③She will be loved by many people.
彼女は多くの人に愛されるだろう。

 少しずつ意味が違いますが、”loved”の部分はすべて同じ形ですよね。これは過去分詞が「される」という意味しか受け持っておらず、それがいつのことなのかを表すことができないからです。タイミングを表現しようとすると、他の動詞(ここではbe動詞)の力を借りるしかありません。

※過去の意味を表さないのに「過去分詞」なんて、紛らわしい名前ですよね。もうちょっとマシな呼び方はないものでしょうか。ちなみに過去分詞は英語でもpast participlesと言います。

受動態はbe動詞じゃなくてもいいの?

 もちろん構いません。be動詞が使われることが多い、というだけです。
be動詞以外でよく使われる動詞はgetですね。これは「~の状態になる」という意味です。


John got injured in the accident.
(ジョンは事故でけがをした)


あとseem(~のようだ)なんかも使えますね。


John seems interested in rugby.
(ジョンはラグビーに興味があるみたいだ)

I’m interested in~も受動態なの?

 ”interested”が出てきたところで、上のような疑問を持った方もいるかもしれません。結論から言うと、これも受動態です。
 interestedは”I’m interested in American history”(私はアメリカ史に興味がある)のように使うことが多く、あまり「受動態」として意識することはありませんよね。でもinterestedは動詞interestの過去分詞です。試しにinterest を英和辞典で調べてみてください。大体次のような感じで載っていると思います。

interest (人・物・事が)[人に]興味を持たせる

 もともと「興味を持たせる」という意味の動詞interestがあって、それが過去分詞になって「興味を持たされた状態」→「興味がある」という意味になるんですね。同じような成り立ちの動詞としては
・satisfy → satisfied 満足させる → 満足させられた(満足した)
・excite → excited 興奮させる → 興奮させられた(興奮した)
・bore → bored 退屈させる → 退屈させられた(退屈した)
などがあります。

受動態にはby~[~によって]がいるんだよね?

 そんなことはありません。例えば次の英文を受動態にしてみてください。


Someone broke the window.
(誰かが窓を壊した)

 いかがでしょうか。次のようになりますよね。


The window was broken by someone.
(窓が誰かに壊された)

 どうでしょう。何か引っかかりませんか。
 受動態は、動作を行う人(やモノ)ではなく、動作を受ける人(やモノ)に焦点を当てた表現です。上のような受動態の文では、「ガラスが割れている」という状態が大事なのであって、見てもいない「誰かが割った」ということはそれほど重要視されません。受動態で動作主(~によって)がつけられるのは、全体の20~30%程度だそうです。

過去分詞だけでも受け身の意味になるって本当?

 本当です。次のような例を見てみましょう。


Don’t touch the broken glass.
(割れたガラスに触らないように)

 過去分詞brokenの後ろに直接名詞glassを置いて「割られた(割れた)ガラス」という意味を作っています。このように過去分詞には、名詞の前において「~された〇〇」という意味を作る用法があります。

 また、このような使い方もできます。


I want to help people injured in the accident. 
(私はその事故で負傷した人々を助けたい)

 過去分詞を含む説明部分が2語以上になる場合は名詞の後ろから説明を加えることもできます(後置修飾といいます)。

まとめ

ここまで受動態に関して、以下のようなことをお伝えしてきました。

①受動態「~される」はbe動詞+受動態で表されることが多いが、そうでない場合もある
②「~される」の意味を持っているのは過去分詞だけ、be動詞はタイミングを決めているだけ
③受動態にはbe動詞以外の動詞が使われることもある。動詞がなくてもかまわない

いかがだったでしょうか。今後ますます記事を充実させていきますので、お楽しみに。

コメント

  1. おニャン子ポン より:

    さらに素晴らしい御意見ありがとうございます!
    be動詞の進行形と同様、受動態や完了形の過去分詞も補語であるというのが小生の見解です。
    小生がこの見解に辿り着いた理由は、仰る通り、beを使わない受動態があるからで、これは英文に頻繁に使われる V+p.p.の型の一つにすぎないと思います。
    ジーニアスの”pleased (3)過去分詞は形容詞化している”なんて説明は要らないわけです。
    世間に罷り通るトンデモ英文法を駆逐するために、お互いに頑張りましょう!

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