現在完了と過去完了、違いは【基準点】!

使い分けが苦手な人は多い

現在完了(have + 過去分詞)と過去完了(had + 過去分詞)、どちらを使えばいいのか迷ったことはありませんか?何が違うのかわからない、と思っていませんか?

日本語をヒントにしても「~した」「~していた」「~してしまった」「~してしまっていた」などよく似た感じで参考になりません。

今回は現在完了と過去完了の本質的な違いに着目し、解説していきます。この記事を読み終わった後、皆さんはこの2つを決して間違えないようになっているでしょう。

最大の違いは【基準点】にあり!

そもそも「完了形」とは

そもそも「完了形」とは何でしょうか。過去形とは違うのでしょうか。

次の2つの英文を見比べてみましょう。

1.I lived in London for three years.【過去形】
  「私はロンドンに3年間住んだ」

2.I have lived in London for three years.【現在完了】
  「私はロンドンに3年間住んでいる」

違いは「現在の状況を含むかどうか」です。

1(過去形)ではロンドンに住んでいたことは既に「終わったこと」であり、現在とのつながりは特に意識されていません。それに対して2(現在完了)は3年前に始まった「ロンドンに住んでいる」という状態が現在も続いていることを表しています。現在完了は、過去の出来事や状態とともに、現在の状態も表現できる時制なのです。

上の例は現在完了の【状態の継続】の用法ですが、他の2用法【完了】【経験】でも「現在はどういう状態なのか」は意識されています。

・I have already finished reading this book. 【完了】
 「もうこの本を読み終えてしまった」だから現在は → あなたにこの本を貸してあげる/この本はメルカリで売ってしまおう/次に読む本を探そう など

・I have visited Italy three times.【経験】
 「私はイタリアを3度訪れたことがある」だから現在は → イタリア旅行のことなら私に聞いて!/新婚旅行はイタリア以外の国に行きたい など

現在完了を使う場合、明示されているかどうかは別として、必ず「だから現在は○○」だ、ということが必ず話し手の頭の中にはあります。【現在完了】は「過去の出来事や状態をもとに現在の状態について表現する」時制なのです。

現在完了と過去完了

現在完了と過去完了の違いは【基準点】の違いです。

現在完了

まずは現在完了から見てみましょう。

1.I have lived in London for three years. 
  (状態の継続)私はロンドンに3年間住んでいる。

2.I have already finished reading this book.
  (完了)もうこの本を読み終えてしまった。

3.I have visited Italy three times.
  (経験)私はイタリアを3度訪れたことがある。

どの用法でも【現在】が基準になっています。

1は【現在】まで3年間ロンドンに住んでいる状態が続いています。
2は【現在】本を読み終えた状態になっています。
3は【現在】持っている経験としてイタリア訪問があります。

過去完了

次に過去完了です。

過去完了は【had +過去分詞】で表されます。

1.I had lived in London for thirty years when I finally moved back to Japan.
  (状態の継続)ようやく日本に戻ってきたとき、私はロンドンに30年間住んでいた。

2.I had finished reading that book before you told me about it.
  (完了)君がそれ(=その本)について教えてくれる前に、私はその本をすでに読んでいた。

3.I had never visited Italy until two years ago.
  (経験)私は2年前までイタリアを訪れたことがなかった。

現在完了に比べて文が長いな、と思いませんでしたか?そうなんです、過去完了の文は現在完了に比べて必然的に長くなります

過去完了の基本

現在完了は「【現在】を基準に【過去】の出来事や状態について述べる」時制でした。

過去完了は、現在完了の考え方を1つ後(過去)にスライドさせた時制です。つまり、

【過去の一点】を基準に【その時点よりもさらに前】の出来事や状態について述べる時制です。

先ほどの例文で考えてみましょう。

1.I had lived in London for thirty years when I finally moved back to Japan.
  (状態の継続)ようやく日本に戻ってきたとき、私はロンドンに30年間住んでいた。

過去の一点(=日本に戻ってきたとき)を基準に、それまで続いていた状態(ロンドンに30年間住んでいた)について述べています。

2.I had finished reading that book before you told me about it.
 【完了】君がそれ(=その本)について教えてくれる前に、私はその本をすでに読んでいた。

過去の一点(=君がそれについて教えてくれたとき)を基準に、それまでにすでに終わっていたこと(=本を読んだ)について述べています。

3.I had never visited Italy until two years ago.
  【経験】私は2年前までイタリアを訪れたことがなかった。

過去の一点(=2年前)を基準に、それまでの経験(=イタリアを訪れた)について述べています。

基準点について

現在完了の基準点は常に【現在】です。【現在】と呼べる時間は常に一瞬しかありませんので、わざわざそれを言葉にすることはありません。動詞の現在形である”have”を使った時点で「現在のことについて述べている」というのは分かります。(注:haveは助動詞だという考えもあります)

それに対して過去完了の基準は【過去の一点】です。【過去の一点】は無数にあります。10秒前も【過去】ですし、1時間前も1週間前も1億年前もすべて【過去】です。過去完了形で“I had finished reading that book”と言っても、それがいつの時点の話なのかは分かりません。そのため、「過去完了を使うときには【基準点】を示すために過去の表現を一緒に使う」というルールがあります。例文では黄色で示した部分です。(前後の文脈から基準点が明らかな場合は過去完了が単独で使われることもあります)

現在完了と過去完了の違い・まとめ

まとめるとこのようになります。

表す時基準点
現在完了have+過去分詞【現在】を基準に【過去】の出来事や状態について述べる常に【現在】なのでわざわざ言わない
過去完了had+過去分詞【過去の一点】を基準に【その時点よりもさらに前】の出来事や状態について述べる【過去の一点】は無数にあるので、過去の表現を一緒に使う必要がある

日本語で「~してしまった」「~してしまっていた」と言っても何が違うのかよく分かりませんが、【基準点】が現在か過去か、という視点を持つとぐっと分かりやすくなります。

過去完了は高校英語をマスターする上では避けて通れない部分ですので、しっかり理解しておきたいものですね。

関連項目

分詞って何だ?

現在完了の【have】は助動詞?

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