MEGAFEPSは忘れろ!to不定詞と動名詞の本質

MEGAFEPS(メガフェップス)というものがあるのですが、知っているでしょうか。

【後ろに(to不定詞ではなく)動名詞(-ing)を取る動詞】で、mind(嫌がる)、enjoy(楽しむ)、give up(諦める、やめる)、avoid(避ける)、finish(終わらせる)、escape(逃げる)、practice(練習する)、stop(やめる)の頭文字をつなげたものだそうです。(筆者も覚えていないので、調べながら書きました)

こんなもの、覚える必要はありません。

動詞の後ろにto不定詞が来るか動名詞が来るかは語呂合わせで覚えられるようなものではありません。英語には100万語以上の単語があるとも言われていて、日常的に使われる単語でも数万語はあります。そんなにたくさん単語があるのに後ろに動名詞を取る動詞はMEGAFEPSの8語だけなんて、ありえないですよね。MEGAFEPS以外の単語はすべてto不定詞を使うのでしょうか。こんな覚え方ではいつまでも中学英語のレベルから抜け出せません。

この項目ではto不定詞/動名詞の本質的な部分を解説します。MEGAFEPSなど覚えなくても適切にto不定詞/動名詞が選べるようになりましょう!

最後に驚きの展開がありますので、どうか最後までお読みください。

to不定詞と動名詞の違い

to不定詞と動名詞はどちらも「~すること」という意味を持ちますが、それぞれが持つニュアンスは大きく異なります。それぞれを正しく理解すれば、ある動詞の後ろにto不定詞が来るのか動名詞が来るのかは自然と判断できるようになります。

to不定詞は未来志向

次の文を見てください。

I went to the library to study for the exam.
「試験の準備をするために図書館に行った」

“to”という単語が2回使われています。最初の”to”は「~へ」という目的地を表す前置詞、2つめは「~するために」という目的を表すto不定詞の一部です。“to”のイメージは→(矢印)です。”go”という動作のたどり着く先であり、「私が図書館へ行く」という行為の目的です。

toは「現在の動作や状態が将来何につながっていくのか」という未来志向のイメージを持っています。

to不定詞をとる動詞

to不定詞を含む英文をいくつか挙げますので、その直前の動詞にどのような共通点があるか考えてみてください。

1.We have decided to go to America.
  「私たちはアメリカに行くことに決めた」

2.The man promised to stop smoking.
  「彼は喫煙をやめると約束した」

3.I hope to see you again.
    「またお会いしたいです」

4.Do you plan to take a trip?
  「旅行をする予定なの?」

いかがでしょうか。これらの動詞には「未来のことを表現している」という共通点があります。

1.アメリカ行きを「決めた」時点ではまだ行っていません
2.禁煙を「約束した」時点ではまだやめていません
3.また「お会いしたい」と言っている時点ではまだ会っていません
4.旅行をする「予定」の時点ではまだ旅行していません

このように、未来に起きることや起きてほしいことを積極的・主体的に【予定する】【期待する】【望む】など、未来志向の動詞の後にはto不定詞が使われます

動名詞をとる動詞

to不定詞を取る動詞は【未来志向】という捉え方ですが、動名詞を取る動詞はもう少し複雑です。動名詞を取る動詞に共通しているのは【リアルなイメージを持てる】という点です。時間的には中立で、【過去】【現在】【未来】それぞれを表す動詞があります。

【過去】【現在】を表す動詞

過去に行ったことや現在行っていることについて述べる動詞には動名詞を使います。実際に経験していて(していなくても)【リアルなイメージ】を持てるためです。例をいくつか示します。

・admit(認める)
 She admitted having stolen the car.
 「彼女は車を盗んだことを認めた」

・deny(否定する)
 They all denied having seen her.
 「彼らは全員が彼女を見ていないと言った」

・finish(終える)
 When will you finish cleaning your room?
 「部屋の掃除はいつ終わるの?」

・enjoy(楽しむ)
 I enjoy reading books when I have free time.
 「時間があるときには読書を楽しみます」

・give up(やめる、あきらめる)
 My father gave up smoking when I was born.
「父は私が生まれたときに煙草をやめた」

これらの動詞は「すでに終了していること」「実際に行っていること」について述べる動詞であり、いずれも【現実のこと】としてリアルにイメージすることができるものです。

【未来】を表す動詞

「to不定詞は未来志向で、動名詞は現在と過去のこと」と大雑把に説明されることもありますが、実際はそれほど単純ではありません。動名詞を取る動詞にも未来を表すものがあります。ただし動詞の性質はto不定詞を取る動詞とは少し異なります。それぞれについて少し詳しく説明します。

・avoid(避ける)
 You must avoid giving unnecessary information.
 「不必要な情報を与えることは避けるべきです」

 聴衆を引き付けるプレゼンテーションに関するアドバイスでしょうか。”avoid”は「好ましくないことが起こるのを防ぐ」という意味で、それが具体的にどういう行為なのか分かっていて、仮にそれが起こるとどうなるのかが【具体的にイメージ】できていないと取れない行動です。現実のこととしてイメージしている点で、現在から離れた単純な未来とは少し異なります。類似の動詞に”escape”(逃げる)、”postpone”(延期する)、”delay”(遅らせる)などがあります。

・consider(熟考する)
 Have you ever considered moving to the country?
 「田舎に引っ越そうと思ったことはありますか」

 この時点では明らかに引っ越していないので【未来】のことですが、単純に「考える」のとは違います。”consider”は「(決断する前に)注意深く考える」という意味で、これも”avoid”と同じく可能性を【具体的にイメージ】していることが分かる動詞です。他にも”imagine”(想像する)、”mind”(気にする、嫌がる)、”suggest”(提案する)などがあります。

まとめ

こまごまと書いてきましたが、大きくまとめるとこのようになります。

to不定詞を取る動詞未来に起きることや起きてほしいことを積極的・主体的に【予定する】【期待する】【望む】など、未来志向の動詞

動名詞を取る動詞:現在のことや過去のことについて述べる動詞、または未来のことを【リアルにイメージする】ときに使う動詞

もちろんこれが全てではありませんし、英語のルールには例外がつきものです。できるだけたくさんの英語に触れ、ルールも例外もまるごと吸収していくのがベストですね。

ちなみに海外の専門家の意見は

この項目を書くにあたって様々な文法書を参照しました。江川泰一郎先生の『英文法解説』や旺文社の『ロイヤル英文法』などです。それぞれの文法書で似ているところもあり異なっているところもあり、大変興味深く読みました。

海外の文法書も確認しておこうと思い、SwanのPractical English Usageを参照したところ、驚くべき記述が見つかりましたので以下に引用します。

Unfortunately, there is no easy way to decide which verbs are followed by -ing forms, and which are followed by infinitives. It is best to check in a good dictionary.

A bad rule

Students’ grammars sometimes say that infinitives are used when the reference is forward in time, and -ing forms in other cases. Unfortunately, this in not a reliable rule: it’s true when it’s true, but there are too many exceptions.

[ 訳 ]残念ながらどの動詞にing形が続き、どの動詞に不定詞が続くか簡単に見極める方法はありません。良い辞書にあたってるのが良いでしょう。

良くないルール

学生向けの文法書には「不定詞は時間的に先のことを表すのに使い、それ以外は動名詞を使う」と書いてあるものがありますが、これは信頼できるルールではありません。当てはまるときには当てはまるのですが、例外が多すぎます。

・・・ルールなしか!

まぁ、あの、海外の専門家も「これさえ押さえとけば大丈夫」みたいな簡単な方法があるわけではない、と言っているのは分かりました。ネイティブスピーカーにとっても簡単なことではない、と。だからこそ我々日本人は、頑張って規則性を見つけ、少しでもスムーズに学習が進むよう努力しているんですね!

この記事が英語を学ぶ皆さんにとって少しでも助けになったら嬉しいです!(強引なまとめ)

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