電子辞書にはない紙の辞書の魅力とは

 英和辞典を買おうと思っているけど紙の辞書にしようか電子辞書にしようか迷っているという人は、迷わず紙の辞書を買いましょう。紙の辞書と電子辞書の利点と欠点を比較するサイトの多くには「自分に合ったものを選びましょう」みたいなことを書いているものが多くありますが、英語学習に使うなら間違いなく紙の辞書の方が優れています。電子辞書と比較した場合の紙の辞書の利点をお伝えします。

値段が安い

 もっとも分かりやすいのが値段でしょう。紙の辞書の値段は3,000円~4,000円程度です。

電子辞書の値段が20,000円~50,000円程であることを考えるとその差は歴然です。

電池がいらない

 当たり前ですが紙の辞書は電池を必要としません。電子辞書には乾電池を使うタイプと充電式電池を使うタイプがありますが、どちらも割と早く電池が切れます。想像してみてください。勉強しようと思って電子辞書を開いたら「電池が消耗しています」の表示が出て使えない状態。充電(または電池交換)からやり直しです。一気にやる気を削がれますよね。学校や図書館、カフェなど外出先だったら致命的です。辞書がただの重りになってしまいます。

検索が速い

 こちらについては「電子辞書の方が速い」と思う方が多いと思いますが、【英語の学習】に関してはスピードの面でも紙の辞書の方が圧倒的に有利です。

一覧できる情報量の違い

 ”make”という動詞の意味を知っているでしょうか。「作る」と即答した人は中学生レベルです。試しに辞書で動詞のmakeを引いてみましょう。いくつの意味(項目)があるでしょうか。私の手元にある『ジーニアス英和辞典 第4版』には他動詞で22、自動詞で7つの語義が載っています。

 “make”や”have”、”take”のような基本的な単語には非常に多くの意味があり、高校レベル以上の英語学習では「ここではどの意味で使っているのだろう」と考えなければならない場面がたくさんあります。 ここで、紙の辞書と電子辞書の一覧できる情報量を比べてみましょう。どちらが一度に多くの情報を見渡せるか、言うまでもありませんね。電子辞書は一画面に表示できる情報量が紙の辞書に比べて極端に少なく、正しい意味にたどり着くために何度も「下」キーを押さないといけないことがよくあります。これはかなりのストレスです。

電子辞書の画面。古いのでモノクロ。最近のはカラーが多いです。だから電池の減りが速い。
紙の辞書の画面。赤い囲みが電子辞書の画面に表示できる量。ものすごく少ない。

例文の表示

 電子辞書の画面の【文】というマークにお気づきでしょうか。これは「例文が収録されていますよ」というメッセージです。ここで【例文】ボタンを押したり画面をタップしたりすると例文を表示させることができます。

 例文を表示する機能はほとんどの電子辞書についていますが、本当に大事なのは【単語の意味を調べただけで例文まで表示されるかどうか】です。英単語の学習には、例文に触れてその語が実際にどのように使われるのかを知る作業は欠かせません。単語の日本語訳を知っているだけでは不十分です。

 紙の辞書の場合は単語の意味の後に例文が載っていますので、意味を調べれば勝手に例文も目に入ります。しかし電子辞書の場合は画面が小さく例文を表示するスペースがないために、例文は「画面をタップする」「ボタンを押す」などの操作をしなければ表示されないようになっているものがほとんどです。その結果多くの人は例文を見ず、単語の表面的な日本語訳を見ただけで満足してしまうのです。これでは辞書を引く意味が半減してしまいます。

書き込みができる

 直接書き込みができる点も紙の辞書の大きな利点です。マーカーを引いたりメモを書き込んだりすることで、次に同じページを見たときに自然と記憶が引き起こされ、反復学習ができます。

 「電子辞書にもメモや付箋、履歴機能がある」という反論はあると思います。しかし電子辞書は意図的にメモや履歴のボタンを押さなければ自分が何を書いたか見返すことはできません。紙の辞書の場合はページを開いただけでメモやマーカーが勝手に目に入ってきますので、ふとした瞬間(他の単語を引いているときなど)に意識せずに何度も反復学習を行うことができます。これは非常に大きな違いです。

偶発的学習の機会が多い

 意図せずに行われる学習のことを「偶発的学習」と言います。

 紙の辞書で単語を引くと、必ず目当ての単語の周辺の語も目に入ります。さきほどの”make”の例で言うと、同じ見開きに載っている”majority”、”Major League”なども視界に入ります。”make”を調べていたらいつの間にか”majority”も覚えてた、なんてことも紙の辞書なら起こります。
 電子辞書の場合はキーボードで調べたい単語を入力します。目当ての単語を入力している途中で候補に出てきた別の語を調べたくなることがあるかもしれません。ただしその場合は【決定】キーを押し、その語を調べた後で【戻る】キーを押し、もう一度目当ての単語に戻る、という作業をわざわざやらなくてはいけません。そんな面倒なこと、しませんよね。書き込みの時と同様、紙の辞書ならページを開くだけで偶発的学習も勝手にできてしまうのです。

終わりに

 紙の辞書の魅力、分かっていただけたでしょうか。一言で表すと、紙の辞書は電子辞書に比べて同じことを調べる(学ぶ)のにかかるコストが少ない、ということです。単語の表層的な意味を調べるだけなら電子辞書の方が速いかもしれませんが、そんな学習しかしない人はまず電子辞書を使いこなすことはできませんし、必要ないでしょう。単語の深みや広がりにまで目を向けられる、中学生レベルを超えた(または超えたい)学習者なら、使うのは紙の辞書一択です。

 どの辞書を使うかは、実際に書店等で手に取って選ぶのが良いと思います。辞書によって収録語数、例文の数、文字の大きさ、色使いなどは様々です。お気に入りの一冊が見つかるといいですね。

例えばこんな英和辞典があります。筆者が愛用しているのはこちらの辞書です。

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