助動詞 must に過去形がない理由とは?

助動詞には現在形と過去形がある

can-could、will-would、may-might など、助動詞にはふつう現在形と過去形があります。単純に「~できた」などの過去の意味を表したり、控えめな表現を作ったりするのに使われます。

ところが、この例に当てはまらない助動詞もあるのです。

そう、【must】のことです。

【must】には過去形がない

【must】は「~するべきだ」という意味ですが、これに過去形がないとなると「~するべきだった」はどう表せば良いのでしょう。こういうときはmustの代用表現であるhave toを使って

He had to finish the work in time.
「彼は時間内にその仕事を終える必要があった」

のように表します。

仕事が終わらなかったことを表す場合には

He should have finished the work in time.
「彼は時間内にその仕事を終える必要があったのに」

のように完了形を使います。

【must】に過去形がないのはなぜ?

では、どうして【must】には過去形がないのでしょうか。

・・・。

実は、【must】には過去形があるんです。

というか、

【must】自体が過去形なんです。

ちょっとビックリですよね。

【must】は過去形!?

「mustが過去形」とは、一体どういうことでしょうか。

mustが過去形だとすると、現在形は何なのでしょうか。

この謎を解明するには、英語の歴史から見ていく必要があります。

長~い話を短くします。

【must】はもともと助動詞ではなく、「…することができる」という意味を表す【mot/most】という動詞でした。この動詞の意味は時代が下るにしたがって「…しなければならない」に変わっていきました。さらに【mot/most】の過去形であった【moste】が現在の意味を表すようになり、現代英語の助動詞【must】のもとになったのです。

もともと過去形であったものを現在形に流用したため、さらにそれを過去形にする、ということがなかったんですね。スッキリ!

いかがだったでしょうか。ちょっとした疑問も「ルールだから」「そういうものだから」で片づけずにちょっと調べてみれば思わぬ楽しい発見があるものですよね。

参考文献

この記事はこちらの本を参考に書きました。歴史的視点から英文法の秘密に迫った本です。英文法の基礎的な知識が一通り見についていないと少し難しく感じると思いますが、英語を教えている人や趣味で勉強している人は楽しめると思います。

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